5/21はHack for Japan 福岡会場に参加しました。
震災からの復興を継続的に支援するための、IT開発を支えるコミュニティ
です。(詳しくはHack for Japanのサイトへ)
午前の部
前回のHack for Japan 福岡会場で作った
donatter (人々が募金や献血などの寄付(donate)をグラブはマップ可視化、育成ゲーム化するwebサービスです。)
が出来るまでの経緯と考え方を
福岡会場の主催者@hiroskが説明してくれました。
前回開催したのが3/21で、震災から間もないこともあり
被災地域の要望をヒヤリングできる状況でなかったため
「被害にあってない人」を対象に絞って考えたそうです。
「支援者が長期にわたって支援する仕組み」
から発展して
「支援者が楽しみながら、自然と支援しているサービス」
になったそうです。
それを踏まえて、アイデア出しをしていきました。
午後の部
被災地である会津若松と仙台のUstream中継。
今回のアイデアソンは
「被災地の現状・ニーズ」を聞けたことが
重要な意味を持っていました。
↓以下、現地レポートを箇条書きで。
被災地レポート
岩手県大槌町
役場の人、システムみんな流された
ボランティアセンターの組織
- 災害対策本部
- 自衛隊対策本部
- 災害ボランティアセンター(長期いられないので引き継いだり)←一番お手伝いできるところ
- 指定避難所←ここへ支援に行くには慎重さが必要
- 現地の声が届きにくい仕組み
- 避難所は文字の山(いつ貼ったか分からない文字情報など)
- 大切な情報が埋もれる
- 必要な人に必要な情報がいっていない
被災地のパソコンについて
- 「無料インターネットコーナー」ってなんなのか分からない。
- 道具を置くだけで、何ができるのか、被災者に何を与えるのかを明示していない
パソコンそのものは色んな企業等により被災地へ送られている。
しかし実際は、現地の人は触ってる余裕がない(時間、心理的な理由より)
被災地のインターネットについて
- BHN(ボランティアセンター)無線インターネットが出来るキットを送っている
- しかし、ダイアルアップモデム並みの速度
- 隣の災害対策本部と違い過ぎ
国立天文台の
震災復興インターネットプロジェクト など
色んなところが送っている
被災地のシステムについて
- 現在は付箋紙で情報をペタペタ貼っている→これをシステム化できないか?
- ボランティアの参加申込は電話で受付けペンで記録している
ニーズを聞いて理解した上でhack for japanの人たちが開発すると良い
↓要望の一部
- 避難所を紹介して欲しい
- 行方不明の人を探して欲しい
- おじいさんの話し相手になって欲しい
- 避難所の子供がうるさい
- おにぎりの賞味期限が分からない
- ボランティアの受付を自動化したい
- 毎日やきそばばかりは止めて欲しい(献立のスケジュール管理しては)
- ネコを預かって欲しい
- パソコンに緊急地震身速報出して欲しい
- 被災証明書の発行システムを作って欲しい
- 震災後の地層の変化を分析したい
現地の「困っていること、したいこと」の
できること、やれることを
どうすれば実現できるか、を考えていく。
ITがインフラになるには?
電気/ガス/水道はインフラだがITはインフラになっていない。
ボランティア受付でなぜIT化しないのか?
電話で受ける理由:変な人を入れない足止めに
会津若松会場
震災による被害状況ー周囲に比べて軽度だがある
- 放射能による影響ー規定値よりは下に
- 影響の少なさの理由:西からの風
- 同じ県内でも放射能の影響は少ない。
- ただし、同じ福島県ということで風評被害がある。
- 観光・農産物・中古車が売れない→正しい情報の周知が必要
多くの県民が避難所生活
時期避難先の準備が進行中
個々の事情を把握して、避難の対応をしている状況
ITリソース
公共インターネットPC、ネットワーク環境
グーグルがAndroid提供
情報共有
FAX,電話、携帯電話、紙、
独自開発による避難者管理システム(氏名、住所、入退所、その他)
会津若松市役所
WEBサイト立ち上げ、掲示板活用
震災、放射線、野菜などの情報を掲載
twitterで情報掲載(対話コミュニケーションには至らず)
ICT(情報通信技術)の活用
手段の多様化
職員/人材の育成
正確/迅速な情報提供が自治体に求められる
インターネットは、
一部の人にとっての便利なツール
→FAXや電話のように誰でもいつでも使える技術として定着させる必要がある
インターネットを基底インフラに
元気玉プロジェクトについて
各避難所での困りごとや課題をリアルタイムに発見・共有し交通整理する場がない
避難先がホテル、旅館、仮設住宅に移ると、さらに単位が細かくなるので
深刻な困りごとが見えにくくなる。
↓
きちんと調べて解決策と繋げる活動をベースに
避難者の安全な自立に向けた長期支援の仕組みづくり
多く寄せられた課題の中の一つ
「役割がない、時間を持て余している」
これからの会津の活動のポイント「自治や自立をどう支えるか」
つまり
コミュニティのつなぎ直し
- 同じ空間にいる当事者間
- 当事者と地域住民のつなぎ直し
- 離ればなれになった当事者間のつなぎ直し
↑中継は以上。
福岡会場ディスカッション
サービスをゲームにする場合 についての議論
- 現地の写真や現場のリアルを伝えれば「ちゃんと復興してる」ことを支援者に見てもらえる。
- 掲示板に現地の生の情報(写真など)を見せる仕組みがあるといいのかも。
- 育成ゲームの飽きを、写真を見せることで達成感などモチベーション/継続させる仕組みにできないか。
- 献血のサイト→いつも「ニコニコ」→足りてる、と勘違いされる
- 足りていないのは血小板(4日しか保たない)→その情報は出てない。見えてこない
- 赤十字が作らないなら、各受付単位で入力できる何か(twitter経由など)情報提供できる仕組み作るのは?
- ゲームにしてしまうと、支援ってことを忘れてしまわないか。本来の目的を見失わないか。ゲームが目的になってしまうことの懸念。
- フィードバックがゲームではなく現実の物にしてはどうか?
- 募金意識の高い人だと、現実の物を見せても良いが、ゲームのついでに募金できてるシステムがいい
- 被災地のニーズ、して欲しいこと情報を分かりやすくユーザーに提供してデータベース化
- 子供に防災の意識を植え付けるゲーム(別アプローチ)
- ゲームの中で、いつの間にかつながってる、っていうのは可能か?
- 逆に、ゲーム以外だと何のインターフェイスが適しているか?
- 位置情報・写真情報を付加した何か?
- API化して情報を取り出しやすくすれば、それをゲーム化するなり、他のアプリに活かせるのでは?
開発コンセプト
- 息の長い支援
- 長く楽しく支援できる仕組み
- 支援の見える化で長く支援してもらう
- 支援者の支援サービス
ターゲット層の選定
インターネットを使える人・使えない人のどちらかをターゲットに
本来なら被災地の人が使えるサービスにしたいが、開発したとして使いこなせる環境じゃない可能性
現実的には、使える人(つまり、支援しようとする人のサポート)を考えた方が良いかと
ツールは活用してもらわないと意味がない
- 使い慣れない災害システムは災害時に使ってもらえない
- いつも使っている仕組みが利用し続けられるのが良い。
- 次の震災にも役に立つツール
- 災害時でもタフなのはラジオ
- 被災者がダイレクトに伝えられるラジオとかどうだろう。
- ラジオとインターネットの親和性(距離感が近い。参加、双方向)
▼以下アイデアの断片
避難所における身障者の立場の問題。
→ITでは解決できないかも?
→でも、在宅カウンセラーと繋げれる仕組みはできる?skype
自分の悩みを吐き出す先→ネットで出来るなら
カウンセラー、病院のホットラインなど応用が利く
愛煙家が東北の愛煙家にタバコを寄贈
嗜好品だから「欲しい」といいづらい
→どうやって送るかのルート、個人間のやりとり
献血センターで血小板の情報
- 簡単操作で情報発信できる仕組みなど。
- 既存の物(携帯、スマートフォン、PC)を活用して、しかも簡単操作なもの
- 献血時に受付時にチェックする問診票、これを携帯・スマートフォンで事前にチェックして受付に提示すれば、問診の手間と時間が節約できる。前回の献血履歴から献血可能かも確認可なもの。
参加しての感想
参加者も含めて私も、
ITの技術に親しみがあってこの業界に入ってきていること自体で
そうじゃない人との意識の間に溝があるのを
自覚しないといけない、と改めて感じました。
ITの技術を駆使して便利なツールを開発して、
被災地の人に渡したら使いこなせるだろう
なんて思ったら上手くいかない。
開発後にある、実際に利用する人をどこまでフォローできるか。
それは、被災地支援以前に
通常の仕事に置き換えても言える事なのですが。。。
[追記]5/22ハッカソンの成果発表Ustream録画
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