副鼻腔炎の術後4週間後に鼻血が止まらなかった恐怖体験談

副鼻腔炎手術後4週間で鼻血が止まらず苦しんだ筆者の経験を紹介します。
(アイキャッチ画像は「Midjourney」で作成)

目次

著者の背景

  • 47歳 男性(喫煙なし、飲酒たまに)
  • アトピー性皮膚炎に長年苦しむ
  • 腎臓のネフローゼ症候群持ち(寛解)
  • 2月初めに副鼻腔炎の手術を受けている
  • 術後4週間は問題なく、術後1ヶ月検診を控えていた
  • 翌日昼からイベント登壇の予定が入っていた

起きたことの時系列

  • 4時ごろ : 鼻血発生
  • 5時ごろ : 救急安心センター事業(#7119)に電話
  • 8時ごろ : 病院へ出発
  • 9時前 : 病院で受付、緊急手術
  • 10時過ぎ : 帰宅して休息
  • 12時 : 車でイベント登壇へ出発(復活)

深夜に突然大量の鼻血が止まらなくなる恐怖

深夜4時に、何の前兆もなく鼻血が出始めた。最初は術後の鼻水が出やすいのがまた始まったのかと思った。横になったりして少しずつ止まるだろうと思った。しかし、喉に流れ込んでくる水の量が異常に多く、こんなに鼻水が出ることあるはずがないと気づいた。ティッシュで鼻を押さえて起き上がったら鼻血だった。 「寝ている間に、無意識に鼻を触って傷口が開いた?」と思ったが、鼻血が出ているのは手術した左側と反対の右側からだった。

とにかくベットを汚さないようにティッシュを鼻に当てたが、止まる気配がまったくない。顔を上に向けると、喉に大量の血が流れ込んでいた。

「これは深刻だ!」と思った。

とにかくティッシュで鼻を覆いながら、隣で寝ている妻に起きてもらい状況を伝えた。妻はすぐにティッシュを取り替えてくれた後、スマホで鼻血の止まり方を調べてくれた。

自分では適切な対応ができずに苦しむ

どうも副鼻腔炎の手術の後しばらくしてから鼻血が出ることがあるようだ。ティッシュを取り替えながら私もスマホで鼻血を止める方法を調べたところ、NHKのサイトに辿り着いた。

ティッシュを詰めるのも止血には効果がありません。傷口を広げることもあり、逆効果になってしまいます。また、上を向くのは厳禁。鼻血がのどに流れて飲み込んでしまうからです。

危険な鼻血に注意!正しい鼻血への対処法 | NHK健康チャンネル

はい、そのとおりでした…正しい鼻血の止め方がイラスト付きで載っていました。

鼻血の正しい止血の方法

突然の出血には、まず落ち着くことが大切です。横にならずに、椅子などに座ると良いでしょう。そして、少しうつむいて出血している側の鼻を押さえます。押さえる場所は、小鼻の上です。5分間、手を離さずにじっと押さえ続けましょう。ダメなら2回続けます。ほとんどの鼻血はこれで止まります。

危険な鼻血に注意!正しい鼻血への対処法 | NHK健康チャンネル

「5分間、手を離さずにじっと押さえ続けましょう。ダメなら2回続けます。ほとんどの鼻血はこれで止まります。」を信じて、布団の上で正座するように前かがみになっていました。止まる気配はまったくありませんでした。血液をあまり飲みすぎない方が良いと聞いているので、時々口からティッシュに吐き出していました。ゴミ箱にたまっていたティッシュ。寝室にあったティッシュはすでに使い果たし、2箱目を開封していました。 起きてから30分はすでに経過していたと思います。

危険な鼻血の見分け方

https://www.nhk.or.jp/kenko/assets/article/images/atc1194_03.png

次のような場合は、危険な鼻血の可能性があります。たかが鼻血と侮らず、大量に出る場合や止まらない場合は迷わず医療機関を受診しましょう。

  • 押さえても止まる気配がない
  • 出血量が明らかに多い
  • 顔色が青ざめている
  • 歯茎など他の部位からの出血
  • 10分経っても止まらない

危険な鼻血に注意!正しい鼻血への対処法 | NHK健康チャンネル

  • 押さえても止まる気配がない
  • 出血量が明らかに多い
  • 10分経っても止まらない

この3点が当てはまっていたのでこれは危険だと判断して、妻が救急安心センター事業(#7119)に電話をかけてくれました。

救急安心センターに電話するも

救急安心センター事業の電話に出てくれたオペレーターに、スピーカーモードにしたスマホで妻が状況を伝えます。

オペレーター「小鼻を抑えて30分ほど前かがみになってください。それでも止まらなかったらまた連絡してください、緊急で受け入れてくれる病院を案内しますので。」

オペレーターの言うことはネットに書かれていることと同じだったが、言われたとおり30分間前かがみになって待った。鼻血が止まるのを祈るように鼻を押さえ続けた。

30分が経っても鼻血は止まる気配がなかったので、妻が再び#7119に電話し、状況を伝えた。鼻血に対応できる医療機関を探してもらったが、残念ながら鼻血の処置で受け入れてくれる病院はなかった。朝まで待って、手術を受けた耳鼻科の病院に朝一番で行くことにした。私は運転できないので妻に運転してもらうことにした。

救急車を呼んだほうが良かったのかもしれないが、手術をした先生に処置してもらうほうが確実でスムーズだと判断した。この時、朝の6時前だったと思う。病院は9時開院なので、まだ3時間ある。前かがみになり、鼻からの出血を抑えようと鼻を指で挟んで押さえ続けた。押さえる指を弱めるとすぐに噴き出しそうになるので、強く押さえ続けた。手が疲れてきたら、押さえる指をずらしながら慎重に入れ替えた。

片手で鼻を押さえながら、Podcastのコテンラジオさんを聴いた。鼻のどの位置を押さえれば出血量が少なくなるのかを試しながら、鼻血のついたティッシュを処理した。

スマホでゲームをしようとしたが、とてもゲームをする気にはなれなかった。

一度だけ鼻血が止まった、が…

一度だけ鼻血が止まった時間帯があり、10-15分だけ布団に横になれた。本当にありがたかった。

少し眠れたが、再び鼻血が出始めたので体を起こした。

感覚的にペットボトル1本分


鼻血は止まる気配がなかったので、血を飲まないように口からティッシュに吐き出した。それでもかなりの量の鼻血を飲んだと思う。感覚的にペットボトル1本以上は血液を飲んだと思う。

流した血の量が多く、貧血気味になっていたからだと思う。

「このまま出血多量で死んだらどうしよう」

と弱気な考えもよぎった。消費したティッシュの量は1箱を超えていた。

ペーパードライバー20年の妻の運転で病院へ

鼻血が出始めて4時間経過。やっと朝が来たという感覚でした。
朝8時に家を出て、妻の運転で病院へ向かいました。

体は少し休むことができましたが、少しふらつく感じがありました。
何より寒さを感じていました。血を流してるからだと思います。

病院に行くために着替える必要がありましたが、鼻を押さえ続けるために片手だけで着替えなければなりませんでした。ズボンは何とか履くことができましたが、ベルトを締めることができませんでした。妻に手伝ってもらいました。 上着は汚れるかもしれないので、寝間着のままにしました。 アウトドア用の大きなジャケットのポケットにティッシュを入れました。 ティッシュで鼻の周りを押さえていたために、マスクを使うことができませんでした。

余談ですが、妻は最近までは20年近くペーパードライバで運転していませんでした。
たまたま奇跡的に、今月に入って妻が自発的に運転講習を受けていました

妻が運転できるようになってなければ、私は片手で鼻を押さえながら自分で運転して病院に行かなければなりませんでした。 とても辿り着く自信がなかったです。
まだまだ不慣れな運転を私のために頑張ってくれた妻に本当に感謝しています。

病院待ち時間中に吐血

妻の運転をおかげで受付開始の30分前には病院に着いた。 病院の玄関には順番待ちで他の患者が立って並んでいたので、妻と一緒に待っていた。 開院直後、列が前に進みだした時、我慢の限界に達した。 喉に流れる鼻血の量に耐えきれず、少し吐血してしまった。 まだ病院の外だったが、アスファルト舗装を汚したのは申し訳なかった。

病院での迅速な対応で止血

並んでいた順番は3番目だったが、受付の方が私の異常に気づき、最優先で診察に回してくれた。
(今思えば、受付開始を待たずに緊急インターフォンなどで状況伝えれば良かった…)

優しい先生(丁寧で安心感を与える話し方の紳士的な先生)から「大変でしたね、もう大丈夫ですよ。これから鼻血を止めますね。」と処置開始。 診察台に座ってる私の顎下に受け皿を用意され、鼻を抑えていた手とティッシュを離す。 鼻や口からを血を流しつつ、先生から鼻に止血剤を塗り込んでもらう。

そして鼻の中の血を吸引し、診察開始。少し上向きになって鼻の中に吸引器が入るのは辛かったですがじっと我慢。すると、あれだけ止血できないと苦しんだ鼻血が見事に止まっていました。

時間にして2-3分でしょうか。 喉に流れてくる鼻血を感じなくなっていました。
「西洋医学って凄い」と心のなかで驚いてました。

原因は新生血管が切れたこと

診察の結果、原因は副鼻腔炎術後に出来た鼻内のスペースに新生された血管が切れたとのことでした。

  • 私の副鼻腔炎の手術は左鼻。傷跡もあり術後すぐの出血だったら左からのはず
  • 今回出血箇所は鼻中隔を隔てた右鼻
  • 術前は鼻中隔は歪んで右鼻を圧迫していたが、正常に戻ったことで広がったスペースに新生血管ができた
  • 新生血管はできたばかりの脆い血管、そこが何らかの原因で破裂したのが鼻血の原因

聞いて納得。血管が切れたのが原因なので一般的な鼻血を止める方法では止まらなかったということです。 夜中にたまたま鼻血が止まった時は上手いこと新生して切れた血管辺りを押さえたからでしょう。 麻酔かが染み込まれたガーゼを鼻に詰め込まれ、隣の部屋で麻酔が効くまで妻と一緒にしばし待つ

傷口を焼いて処置するとのことなので、麻酔が染み込まれたガーゼを鼻に詰め込まれました。麻酔が効くまで、隣の部屋に移動して妻と一緒にしばし待つことに。 待ってる間はかなり疲弊していたがこれで助かるという安堵感もあった。 隣で妻がずっと手を握ってくれてたのもあったからだろう。

緊急手術で血管を電気メスで焼く

私だけ手術室に入れられた。副鼻腔炎の手術後に出血が止まらなかったためだ。 ゆっくり上がって横になると、看護師たちが準備を始めた。 電気メスでは体に電気を通すため、太ももに電気を逃がすシールを張った。 ズボンを下げる必要があったが、汚れてもいい服だったので気にしなかった。

看護師にふらつく感覚があることを伝えた。血圧も測定した。

医師が入り、手術を始めた。

麻酔が効いた鼻の傷(破損した新生血管)を電気メスで10回程焼いた。

電気が流されると、歯に電気が走った。正確には右側の上歯と下歯に伝わった。鼻から太ももの電極までの最短距離だったからだろう。口を開けると、上歯と下歯の間に電気が流れた。人体はすごいなと思った。

5-10分で手術は終わり、少しふらつきながら待合室に戻った。

後処置と費用

待合室で妻と会った。 再び診察室に呼ばれ、傷口を守るため鼻にコットンを詰めた。 4日後に経過観察で来院するように言われた。

受付に戻ると待合室は満員だった。私のために医師を専有してしまったからだろう。少し申し訳なかった。(土曜日はいつも多い?)

支払った料金は200円未満で驚いた。薬は処方されなかった。

無事に帰宅、午後にはイベント登壇へ

自宅に戻り、血が足りない感覚があったので軽食を取った。朝食も水も摂れていなかったので美味しかった。 妻から鉄分サプリを1錠もらった。プラシーボ効果かもしれないが安心した。

少し休んだ後、イベント登壇に向かった。 この日は大事なイベントがあった。関係者には連絡を入れていた。 無理だろうと思っていたが、鼻血が止まり、医師からも大丈夫と言われた。

医師から、入浴や運動、飲酒など血圧が上がる行為は控えるように言われたので、歩くことを控え、イベント会場までは車で行った。 移動中に鼻血が出たらと恐れた。

鼻血が足りない感覚を抑えるため、車で移動中何か食べ続けた。 イベント中は何も起きず無事に終了した。 打ち上げにもノンアルコール飲料で参加できた。

まとめ

副鼻腔炎の手術後に新生血管ができることがある。 新生血管は脆く、ちょっとしたことで出血の原因になる。 副鼻腔炎の手術を受けた人で急に鼻血が出たら、迷わず病院に行くこと。

一般の止血方法(小鼻を摘んで前かがみ)だけでは止まらなかった。 鼻の中の新生血管の場所はわかりづらいが、指で外から押さえると出血を抑えられる箇所がある。探してみること。

そして止血しても安心せずに、すぐに病院に行くこと。

後日談

汚い話だが、翌日の便は人生で見たことがない黒色便だった。 血液を飲むと胃酸と混ざると起こる現象だと聞いています。 2日程度で普段通りに戻りました。

飲み込まれた血が消化管を通過し黒いタール状の便として認められる場合があります。 鼻血 – 19. 耳、鼻、のどの病気 – MSDマニュアル家庭版

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