[レポート]UX Fukuoka vol.14 UXワークショップ in 北九州

UX Fukuoka vol.14

2013年12月21日(土)北九州まなびとESDステーション にて
北九州市小倉北区にある「魚町銀天街」を舞台に
まちの皆さんと共に
参加型デザインで『商店街に訪れる体験』について考える
ワークショップを開催しました。

UX Fukuoka vol.14 UXワークショップ in 北九州
商店街を参加型デザインで考える
告知ページはこちら(UX Fukuoka公式サイト)


UX Fukuoka vol.14

参加型デザイン

今回のワークショップは、
学生、デザイナー、プログラマだけでなく
商店街関係者、まちづくり関係者など
地元の方々にも参加していただきました。

相手の肩書きや所属によって
本音や活発な議論が妨げられてしまわないように
開始時に「お互いの素性を明かさないように」とお伝えした上で
ワークショップを進行しました。

UX(ユーザー体験)を考えること

利用者がサービスを通して何を得たいのか?に着目して徹底して考えること。
作る側の論理を利用者に押し付けない
モノづくり、サービスづくりのあり方。

このワークショップや、これまで浅野先生から受けた講義の
根幹にあるテーマだと私は思いました。

フィールドワークの前に

これから魚町銀天街に繰り出して行う
「エスノグラフィ(フィールドワーク)」について講義を受けました。

「エスノグラフィ」で
実際にサービスを使われている状況を観察し

リアルタイムでインタビューして得られる
利用者の生の声を(自分のフィルターを入れず)客観的に収集し観察します。

この段階では「仮説」を立てません。
仮説を立てると、その時点から物事の見方に偏りが出てしまいます。
ありのままの事を客観的に記録していきます。

そうやって得られた情報を分析していくことで見えてくる事から
提案を考えていきます。

アンケート(定量調査)では本音を聞き出すことはできないそうです。
(なぜなら、人は時間が経つとイヤな思い出を忘れていくから)

そのため、手間と時間はかかるけれど
リアルタイムに聞き出せるエスノグラフィ(質的調査)を行います。

参加型デザインと合意形成

関係者を含めないフィールドワークは
問題提起で止まってしまって先に進みません。
もちろん、今回のワークショップを1回やっただけで合意形成はできません。
何度もやることで少しずつ合意形成ができて、物事が前に進むのです。

「商店街へ訪れる2人組」のペルソナづくり

UX Fukuoka vol.14

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チーム毎に「商店街へ訪れる2人組」のペルソナを作りました。

彼らがどんな人で
商店街に訪れる頻度がどれだけで
どんな目的で何を達成しに
商店街へ訪れているのか?でペルソナを考えます。

いざ、エスノグラフィ(フィールドワーク)へ

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ペルソナに近い二人が生活者として商店街に繰り出しました。
残ったメンバーは、生活者の後について観察を行います。
生活者の行動が気になったら、その都度インタビューします。

当日は気温も低く雨も降っていたため
フィールドワーク日和ではありませんでしたが
アーケードの中を通る時は雨風をしのげてよかったです。

2時間のフィールドワークを経て会場へ戻ると
会場で待機していた運営メンバーによって
ペルソナが分類されていました。
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カスタマージャーニーマップ

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調査情報を元に、各チーム毎に
カスタマージャーニーマップを作成していきました。

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「タッチポイント」
立ち寄った場所などを付箋紙に書き出します。

「ペルソナの感情と思考」
タッチポイントや各タッチポイント間でのペルソナの発話と
その時に思ったことを付箋紙に書き出します。

「心理曲線」
感情の起伏をグラフにします。

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UX Fukuoka vol.14

サービスの提案

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特に心理曲線が下がったポイントに着目して
そこを改善する提案を考えてからプレゼンしました。

各チームのプレゼンで少しずつ見えてくるものがありました。
例えば
潜在的に良いものがある。
地元にいると当たり前すぎて、それが良いものか気付いてないことがある。
低コスト・小さなアクションで改善できることもある。
関係者の理解・協力を得る必要なところも色々とある。
などなど。

会場で懇親会

ワークショップ終了後、会場で懇親会をしました。

まちづくりをテーマとしたワークショップで
こんなに活発に意見を出し合っているのは素晴らしいと
浅野先生もおっしゃってました。

運営側も、当日がどんな風に展開されるのか
やってみないと分からないので不安も少なからずありましたが
開催できて本当によかったです。

謝辞

今回のワークショップが無償で提供できたのは
北九州市立大学から援助をいただけたからです。
ありがとうございました!
参考:北九州市立大学の地域貢献の取り組みについて

他にも、学生の学びと地域に結びついたワークショップだったこともあり
北九州まなびとESDステーションを会場として利用することができました。

学生の学びの機会をつくるために
vol.14のプランを中心となって考えてくださった
北九州市立大学の山崎 進 先生

デザイナー、ブランディングディレクターをされつつ
まちづくりイベントにも関わられていて
vol.14に まちづくりに関わる方への参加を呼びかけてくださった
田川 昌輝さん

講師の浅野先生をはじめ、
開催に至るまでに尽力してくださった
関係者のみなさまのご協力に感謝いたします。
ありがとうございました。

追記

参加型デザインで色んなステークホルダーの方を巻き込む際に
観察エリアをとりまとめてる団体への確認
が必要なことを実感しました。
これから、フィールドワークのワークショップを
開催する時は、この点の配慮が必要だと思いました。
実際にお店の方に苦情を言われた参加者には申し訳ないことをしました。
本当にごめんなさい。

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