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CGFMのUIデザイナー担当。 本職のUIデザイナーでは本名のカネウチカズコで、 イラストレーターとして活動する時は「サイト☆ムツキ」と名乗って使い分けてます。

熊本市役所様のUI研修を無事終えて〜研修用スライド作成でデザイナーが考えたこと〜

2025年11月に熊本市役所様で開催された
「UIデザイン研修(全3回分)」のワークショップ設計とスライド作成に携わりました。

今回のテーマは「生成AI活用」。
受講者に「難しそう」と壁を感じさせないための工夫をしました。

そのためスライドでは「AI=最新テック」というイメージではなく、「親しみやすい表現」と「直感的な図解」にこだわりました。 3時間の講義を飽きさせず、知識を即実践に繋げるために行った「資料作成の工夫」を3つご紹介します。

1. AIを「ロボット」ではなく「新人さん」として表現

CGFMが考えたAI活用のコンセプトは
「AIに丸投げせず、上司として指示を出そう」

「プロンプトを書く」という一見難しそうな行為を、「新人への業務指示」という日常業務の延長線上にあるイメージに変更。 AIをキャラクターとして登場させ、「AIと対話する」感覚を視覚的に落とし込みました。

2. 講義を退屈な時間にしない。受講者への問いかけを盛り込む

講義では「改善前」の文章を提示し、受講者の考える時間を挟んだ後「改善後」を見せる、といった「問いかけ要素」を盛り込みました。

伝わりやすい文章を書くのが大事、と分かっていても具体的にどう書けばよいのか、具体例が知りたいと思うかもしれません。ただ、正解を先に見せてしまうと受講者の心に引っかからないと考え、演習形式にして自ら考える時間を盛り込みました。

3. 複雑な手順は「ステップ図」で型化する

電子申請中級編は、AIを使って電子申請フォームの改善案を作成する内容でした。
しかし長い申請フォームの場合は、一つのプロンプトで解析から改善案作成まで完結するのが難しいことが、
ワークショップ設計段階で判明しました。

そこで「AIが極端な要約するのを防ぐ」ため、3回に分けてプロンプトを入れる構成にしました。

一方で「ひたすら講師の手順通りにプロンプトを入れるだけでは、今 自分が何をしているのか分からないのではないか?」と私は考えました。私はそれぞれのプロンプトの役割を図解化して「このプロンプトはAIに何の指示を出しているのか」を意識できるよう工夫しました。

まとめ:スライド資料は講師の「最強の相棒」

研修終了後、参加者の方のチェックアウトで

「資料が有益でした『もしかしたら、伝わるよりも載せることに精一杯になっていませんか?』にハッとさせられました」
と書いていただき、内心「やった!」と思いました。

良い研修には、良い講師だけでなく、「講義に託した想いを翻訳したスライド」も不可欠です。
私たちは、ただ情報を並べるだけでなく、「受講者にどう動いてほしいか」から逆算した研修設計やスライド作成を行っています。

「社内研修の資料がわかりにくい」
「専門的な内容を噛み砕いて伝えたい」
そんなお悩みがあれば、ぜひCGFMにご相談ください。
研修内容の相談からスライド作成まで、サポートいたします。

より詳しい記事はこちら
ワークショップ実績:熊本市職員向けUI改善ワークショップ(2025年)

UIデザイン研修で使用したスライド

「人間中心AI」って?

「人間中心AI」に関する複数の記事をNotebookLMに読ませた。
要約するのにAIって便利だなぁ。

マインドマップの図。
人間の介在が必要な箇所は「要件定義に時間をさく役割」「テストの適切な範囲のチェック」「人間がチェックできる仕組みのデザイン」「全体最適化の判断」

要約して気になったキーワードが
「生産性パラドックス」
縦割りな組織でそれぞれにAI導入すると局所的な効果になるから、IT(情報技術)へ多額の投資がなされているにもかかわらず、それが統計的な生産性の向上として現れてこないという矛盾が起こる。

AIの個別導入によるサイロ化進行を防ぐには
全体最適化の判断を人間が担う必要がある。

CGFMが役に立てることって

  • 企業が「要件定義に時間を割く」ための前段階の「要求定義を一緒に考える」こと
  • 企業活動全体のあり方を私達が客観的な視点で捉えたうえで言語化し、企業が「全体最適化の判断」を考えるための材料を見える化すること

なんだろうか、と考えたりした。

UIを考える自主練におすすめな本

自主練するつもりで購入したわけではないけど
読了後に「自主練にちょうどいい」と思った本を紹介。

オブジェクト指向UIデザイン──使いやすいソフトウェアの原理

おすすめな点は、ニーズ起点でお題が出ていること。
自主練する時に難しいのがお題作りだと思うんだけど
特殊な業界知識がなくても想像できる内容なのが良い。

お題を読んだら手を動かす。
考える時間がないならページを進めない。
つい読み進めて解答例を見たくなってしまうけど踏ん張る。

以下、自主練で書いたワイヤーフレーム。

他人に見せるのを考慮していなかったので粗い。
仲間と勉強会するんだったら、もっと綺麗に書きたい。

これから先の自主練について

日常生活を送る中で、使いにくいUI・サービスに出会ったら
なぜ使いにくいのか
どうしたら使いやすくなるのか
なぜ、その使いやすくなる施策を打たなかったのか?の背景
(コスト、時間の制約・法的制約・技術的制約・そもそも考えてもいなかった・社内コミュニケーションに何らかの課題がある 等々)

を考えて、できれば手と頭を動かして自主練すると
UI脳が鍛えられると思う。

ワークショップは事前準備が9割

CGFMでは必要に応じて
ワークショップのような参加型会議を行うことが多々あります。

  • 利用者目線でUIを考える時
  • ユーザーの業務プロセスを可視化する時
  • これから作るサービスの目的をメンバーとすり合わせる時

元々はUI検討やWebサイト設計する目的でワークショップを行なっていましたが
弊社の金内透(我流さん)がファシリテーターの能力をメキメキとのばした結果
ワークショップそのものの依頼もいただくようになりました。

その結果、UIとは異なる文脈
例えば、以下の目的でのワークショップも行いました。

  • 社員の本音が聞きたい
  • あるテーマについて社員みんなで考える時間を作りたい
  • ボトムアップで意見言える土壌を作りたい
  • 社内で協力し合える関係づくりの場を設けたい
  • 質問力を鍛えるための、失敗OKな場を設けたい

このような内容でのワークショップの場合
相談いただいてから開催まで、1、2ヶ月はかかります。

ワークショップ当日までの流れの解説図。

クライアント側の参加者のスケジュール調整もありますが
内容を詰めていく準備に9割を費やしているためです。
それらの下ごしらえをやった上で、
当日は意見を出せる場づくり(ファシリテーション)に注力しています。

また、ワークショップ中のファシリテーションで
気をつけていることがあります。

CGFMのファシリテーションで「やっていること」

  • 考え方の引き出しを増やす
  • 個人個人が考える場をつくる
  • 上下関係を強制的に壊して意見を出せる場を作る
  • 結論出してスッキリではなく、あえてモヤモヤを残す

CGFMのファシリテーションで「やらないこと」

結論ありきで「みんなで話し合った」アリバイづくりのための会議

ワークショップ終了後に何が起こるか、について
ゴールは保証しません(できません)。
蓋を開けて何が飛び出しても受け入れる
会社の包容力が試されます。

ファシリテーターが意見・結論を出す

意見を多く出すための場作りに注力しますが
ファシリテーターは意見の方向を誘導してはいけない、
と考えています。

会社や組織内のメンバーがファシリテーションしようとすると
その組織内での関係性が足かせになって
活発な意見が出る場づくりができない、という
悩みをよく耳にします。
そんな時に「CGFMがファシリテーションやってたなぁ」と
思い出してもらえると幸いです。

UI設計と生活空間の動線設計の共通点

導線が複雑なUIとシンプルなUIのイメージ

デジタルの世界であっても
日常の生活空間のように「自然な流れ」に即したUI設計が大事。

どこに何を置くか決めずに部屋が散らかった状態では
タスクを完了するまでに
何度も行ったり来たりしなければならない。
あるいは細かく分類しすぎたり、見せない収納にしたことで
開けてみないと何が入っているか分からなくなって
目的のものを探すのに、時間がかかっていないだろうか。

良い導線は、ある目的のために動く「ついで」に
必要なものも拾い集められるよう設計されている。

例えば、我が家で長年愛用している体重計の場合
乗っただけで家族の誰かを特定し
自動的に体重・BMIの数値をアップして
勝手に記録がたまっていく。
体重計に乗った後
わざわざスマホを起動しアプリを起動し数値を入力する、
なんて手間は必要ない。

目的を達成するための過程が
利用者の負担にならないような
気づいたら利用目的を達成できているような
UI設計ができるようになりたい。